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2021/06/06

歯科で使う裏方的な器械

機械に興味のある方向けです

モデルトリマー

歯科医院に入ると受付にパソコン、

医院によっては待合室にマイナンバー読み込み用の機械、自動精算機、

エアコン、空気清浄機、殺菌スリッパケース、大画面モニター、熱帯魚の水槽

診療室には診療台、レントゲンのモニター、空気清浄機、生体モニター、AED、口腔外バキューム、レーザー、マイクロスコープ、インプランター、光学スキャナー

レントゲン室ではレントゲン装置、CT

と色々な器械を目にします

しかし目に見えないところにも多くの器械が必要なのです、今回は普段目にすることがあまりない裏方的な器械を紹介します、治療内容や治療方針といった情報は一切ありませんので機械好きな方のみご覧ください。

 

最初はモデルトリマーです

粘土のようなもので歯型を採ったものに石膏を注ぎ模型を作りますが

その模型は尖ったりしていますのでこの器械で型を整えます

ダイヤなどの粗い粒子の付いた円盤が回りそれに模型をあてると削れます

似たような器械を〇〇タロウで見かけますが、モデルトリマーでも角材の長さを整えたりに使えます

しかし逆に〇〇タロウの器械をモデルトリマーとして使うと薬事法に引っかかります

レーズ

主に総入れ歯を研磨するときに使います

20年前はインプラントは普及前で、それ以前は健康保険で前歯のブリッジが出来ませんでしたから

全部・部分色々な入れ歯が多かったのです

大きな入れ歯は布のバフと砲弾型の繊維で研磨すると早かったので昔は当たり前のようにありました

今はなくても何ら不便はないのでないところも多いと思います

研磨屑が飛ばないように技工用バキュームで吸い込めるようになっています

サンドブラスター

鋳造後の金属についた埋没材を除去したり、脱離してきた金属の内面に残るセメントを除去したりするのに使います

以前は入れ歯にマグネットアタッチメントを使用していたのでその装着前の処理に使ってもいました

細かいガラスビーズ、またはアルミ粒が噴射され、それによってセメントなどが除去されます

技工をやらない歯科医院ではなくてもなんとかなる器械です

チェアーサイド用の手に持って使う小さなサンドブラスターも発売されています

どちらも粉末を肺に吸い込むと大変なのでその点は要注意です

サンドブラストも工業用のがあると思いますが歯科で使うと薬事(以下略

アルジネート印象材自動練和器

歯型を採る時の粘土のようなものを自動で排出してくれる器械です

ボタンを押している時間だけソフトクリームのように出てきます

大昔はボウルに粉と水を入れ手で練っていました、適切な硬さに練れるのは職人芸でした

25年位前には粉と水を計って洗濯機みたいのに入れると練ってくれる器械が登場

当院でも最初はそれでしたが現在はソフトクリームタイプの2代目です

今後は光学印象(3次元スキャナー)というカメラで口の中を読み込む方法に代わっていくと思いますが、光学印象の欠点の窪んだ形のを採るためには粘土式も併用しなくてはならないかもしれません

都心ではすでに光学印象を採用しているところも多いと思いますが、残念ながら健康保険の治療には使用できません

画像右側の小さな器械は寒天用の保温器です、歯型を採る時に最初歯ぐきに熱いのをシリンジであてると思いますがその熱いのが寒天です、アルジネートは精密さに欠けるため寒天を併用します

保険で材料費を抑えるための印象法なので、自費の治療には精度の高いシリコンを使うことが多いです

 

超音波洗浄器

治療を受けている時にどこかからジーーーーーという音が聞こえることがあります

その音はこの器械です

洗浄液入った水槽に使用後の器具を付けて振動で汚れを落とす器械です

メガネ屋さんの洗浄器と大きさは違いますが同じものです

血液はこのときに洗浄液によって分解されます

感染予防のため事前に消毒液に漬けてから使用することもあります

高圧蒸気滅菌器(オートクレーブ)

洗浄の終わった器具をこれで滅菌します

歯科以外の病院や美容でも使われているごくありふれた器械です

診療室から見えるところにある医院もあるかと思いますが

滅菌終了時に熱い蒸気が出るので当院では診療室には置きませんでした

殆どの器具はこの装置で滅菌します、1工程が大体1時間くらいかかります

大きな器械ですが仕組みは圧力鍋と一緒です、圧力鍋のピンが全部出て20分もすれば同じ効果が得られそうですがそれだと薬(以下略)

小型高圧蒸気滅菌器

オートクレーブとほぼ同じですが乾燥工程がありません

乾燥工程不可の歯を削る器械や一部の器具に使用します

1工程が約15分なので急いで滅菌したいときにも便利です

診療室に置いてある医院もあると思いますが、やはり高温の蒸気が出るので当院では別の場所にあります

デジタルレントゲン

レントゲンを操作するサーバーです

レントゲン室の入り口に設置することが多いので見たことのある方もいらっしゃるかと思います。

フィルムの時代には自動現像機という器械がどーんと鎮座していました、今はデジタルなのでパソコンです

小さいフィルムの時は右の箱がスキャナーになっていてそこでフィルムを読み込みます

そしてフィルム時代に現像液と定着液の排液タンクのあった棚下にサーバーと無停電装置があります

レントゲンのサーバーはネットとは繋がっていませんので情報が漏洩する心配はありません

保存もjpegなどと違い特別なファイル形式のため普通のソフトでは見れません

欠点としては大学病院などとの連携時にプリントアウトで劣化した写真を共有しなくてはならないことです

最近開業した所はレントゲンではなくCTを設置するところが多いと思います

レントゲンからCTに買い替えるのは大変なので

診療用バキューム

ここからは一般の方はまず見ることがない器械です

お口の中に管を入れ水を吸い込みますが、その吸い込む大元の器械がこれです

止まると仕事に支障が出るので予備機と2台セットになっています

音がかなりうるさいので機械室(防音)の中にあります

水を吸い込むのでそれに対応した仕組みになっています

口の中の水を吸っているときには裏でこんな大きな機会が稼働しているわけです

技工用バキューム

開業時から残っている数少ない器械のひとつです

技工室で切削屑が飛び散らないようにするために使います

診療用と違って水を吸い込むと故障の原因となります

なので作りは簡単で大型の掃除機みたいなものです

口腔外バキュームがあれば代用できるので新規開業のところは設置しないかもしれません

掃除機でも代用できますがそれだと例の(以下略)

コンプレッサー

圧縮空気を作って送り出す器械です

治療の時にしゅっと風を当てたり、歯を削る時の回転切削器具がちゅいーんとなったりしていたら

奥ではこのコンプレッサーが稼働しています

以前は酸素ボンベを倒したような形状で音もかなりうるさかったのですが最近は小型静音化されています

コンプレッサーは工場などでも使われていると思います

エアードライヤー

コンプレッサーで作られた圧縮空気は高温で水分を多く含むためにそのままでは使えません

このエアードライヤーという器械を通して冷却乾燥します

バキュームは診療用と技工用に分かれていますがコンプレッサーとエアードライヤーは共用です

 

これらの器械がないと歯科医院は成り立ちません

開業時には診療台やレントゲン、内装、そしてこれらの器械をそろえなければなりません

薬事法で中古機器の売買が禁止されてますからすべて新品をそろえる必要があります

器械には寿命があります、コンピューターは特に頻繁に入れ替えが必要です

20年持ったのはレーズ、サンドブラスター、技工用バキュームの3つだけです

高いものほど持ちません

光学印象、ミリングマシーン、インプランター、CT、口腔外バキューム、AED、きれいなホームページ、レーザー、マイクロスコープ

これらは20年前にはなくても開業できました、しかし今はあった方が良いのです

経営コンサルトの中には開業時に全部入れさせる人もいますが、いずれも寿命がきたり、

効率や精度の良い新製品に買い替える必要がでてきます

コンピューターを使うものはソフトやOSの関係で意外と短命です

これから歯科大を受けようか悩んでいる生徒さんはこのことも参考にしてください

少なくとも歯科以外の科であればこんなに器械を買う必要はないと思いますが、歯科はとにかく設備が大変です

ですが器械の好きな人や模型を作るのが好きな人には楽しいかもしれません

以上器械好きな方向けの記事でした

 

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