コンポジットレジン修復

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コンポジットレジン修復

2021/03/28

金属かコンポジットレジンかの選択

某女性週刊誌に金属が時代遅れという記事が載りましたが、

それに対しての個人的な意見を述べたいと思います。

長文になりますがご了承ください。

金属アレルギーについて

記事では「銀歯の原材料にパラジウムなどの金属を使用するとアレルギーが出る、

すでに30年も前から判明しているので金属はよくない」と書かれています、

パラジウムは実際ドイツではアレルギーの点から使用禁止になっています。

でも厚労省が30年も放置するのはなぜかということです。

当院では開業前(20年以上前)から皮膚科と連携して金属アレルギーのパッチテストを行ってきました、

まずは金属アレルギーの疑いのある患者さんは50人に1人くらい、

実際にパッチテスト確で認してから治療に入るのはその中の2割人くらい、

さらに治療に影響のあるアレルギーを持つのはその中の5割ほどで

パラジウムにアレルギー反応を示すのはその中の2割程度です。

決して多くはないので殆どの方は心配する必要がありません、

数年前から金属アレルギーの方にはすべての歯のCAD/CAM冠を保険で認められています、

皮膚科で歯科用の金属に反応が出た方はかかりつけの歯科にご相談ください。

コンポジットレジンの強度について

現在、白い修復材料として

①コンポジットレジン

②ハイブリッド(保険のCAD/CAM冠など)

③セラミック

の3つが代表的です

セラミック>ハイブリッド>コンポジットレジンの順に軟かくなります

セラミックは強くて丈夫、変色もしない良い材料ですが健康保険が使えません、

ハイブリッドはコンポジットレジンよりも強度があります。

コンポジットレジンを作るメーカーのデータではかなり良くはなっています、

それでは図で説明いたします。

CAD/CAM冠の適用範囲から

上図③の歯列は親知らずまで揃っています

この場合CAD/CAM冠という白い被せものを保険で入れられるのは奥から3番目の歯までです。

もしも奥から2番目の歯が1本でもないか、かみ合っていないかする場合には奥から3番目の歯にはCAD/CAM冠が入れられません。

理由は強度不足だからです。

先ほどCAD/CAM冠はコンポジットレジンよりも硬いと説明しました、

となると強度が昔よりも強くなったとは言ってもコンポジットレジンで大きな面積を覆うのは咬耗や破折といった問題が起きやすいと考えられます。

むし歯の面積から

上の写真は青い部分が深く虫歯になっていると思ってください。

①のように虫歯の面積が小さい場合にはコンポジットレジンの方が明らかに適しています、

昔は予防拡大とか言って溝の部分全部削って金属を詰めると大学では教えていましたが。

それに対して②のように面積が大きく噛み合わせの面の山になった部分も含む場合、

咬耗を考えると金属かセラミックのような硬い材料の方が有利です、

特に歯ぎしりや喰いしばりの癖がある方は←ここが重要

コンポジットレジン充填の限界

むし歯になりやすい部位として歯と歯の間の部分があります、

図4のように歯ぐきのスレスレ、場合によっては歯ぐきより深い部分まで及ぶこともあります。

金属ではセメント、コンポジットレジンでは接着材を使って維持します、

このどちらも唾液に汚染されると接着力が落ちてしまいます。

セラミックや金属の場合は歯を消毒乾燥してから数秒で取り付け作業に入れます、

一方コンポジットレジンは接着材の塗布、10~20秒たってから乾燥10秒(この工程のない品もあり)、光照射10~20秒(この工程のない品もあり、ただし乾燥と両方ないものはない)、ペーストの充填・・・と消毒乾燥から時間がかかります、その間に特に写真④のような例では唾液や歯肉からの浸出液に汚染される確率は高くなります。ラバーダムでは防げません(ラバーダムは視野の確保に良いが唾液は防げないと歯内療法学の権威も申しております。)

特に接着材とコンポジットレジンの間に唾液があると隙間が残ってしまいます。

唾液に触れる時間が少ないという点では型をとったものを付ける方が有利と考えられます。

唾液に1週間とか曝されているので装着前に十分な消毒と乾燥は必要ですが。

 

部位による限界

金属でもコンポジットレジンでも歯との境目がピッタリ合っているのが理想です、

型を取って技工士が作る場合には模型がきちんと出来れば今の技工士は顕微鏡などを使って作りますからピッタリ出来てくるはずです。

コンポジットレジンは透明のテープなどを使って隙間なく詰めます、が幅のある奥歯は歯と歯の間を直接見て確認できません。

オーバーになっていたりアンダーになっていたりは探針やフロスを使って確認しますがアバウトです、

特に奥歯は真ん中がくびれていたりしてオーバーになりやすいです。

オーバーであれば隙間が残ってそこに細菌が入りフロスなどで取り除けません、

アンダーであれば窪みの細菌が磨き残しになります。これは金属でも同じです。

経験上歯と歯の間のコンポジットレジンの適用範囲は図③の緑色の部分までで、

オレンジの部分は型を取ったものを詰めた方がよいと思います、

腕の問題もあるのでオレンジの部分もピッタリ詰められる先生もいるでしょうが私には無理です。

銀歯は儲かるから銀歯にしている?

銀歯の場合には通院が2回になります、

確かに患者さんが払う金額はコンポジットレジンよりも高いですが技工料や2回分の人件費を考えた場合、

さらに2回目の予約をドタキャンされるリスクとかも考えても

コンポジットレジンの方が利益は上です!但し治療に1時間とかかければ別です。

ちなみにコンポジットレジン1本で約3000円の収入ですが家賃や人件費や設備材料などを考えたら1時間かけてたら赤字になります、表面麻酔5分、麻酔して効くまで10分、ラバーダムして染出ししながら形成して・・・

そこはたぶん他に自費の治療がたくさん出るのでしょう、それかコンポジットレジンが自費です。

また、地方によっては1日に50人くらい診ないといけない歯科医院も存在します、そういったところでは金属を詰めることが多くなると思います。

日本人に銀歯が多い理由

例えばスウェーデンでは成人すると歯の治療に保険はありません

むし歯にしたのは自己責任なのですべて自費です、

となると銀歯でもセラミックでも同じような金額なのでセラミックを選択します。

日本の場合は銀歯は保険で数千円で出来ますがセラミックは数万円と一桁違ってきます、

さらには虫歯自体が多かったこともあって銀歯が多いのです、

日本でも銀歯が自費であれば予防も進んでいたでしょうし銀歯も少なかったでしょう、

保険の影響で銀歯多くなっただけです。

おしまいに

銀歯は時代遅れと一部のマスコミに書かれていますが、

コンポジットレジンと金属の特性、

治療する部位、

患者さんの職業や生活環境、

アレルギーの有無や習癖の有無

それらをトータルで考えて症例ごとにどちらが良いか決めて治療しています。

結果銀歯の方が良いこともあるのです(セラミックにしたくても費用面でできないので仕方なくです)

なのでいまかかっている歯科で銀歯を入れられたからと言って時代遅れの治療をされたとは思わないで下さい。

そして歯科に関する記事は著者が自院のPRや著書のPRに利用することが多いのでその辺を考慮してお読みください。

歯科医院の探し方についてはブログの「遠方から」も参考にどうぞ

長文最後までお付き合いいただきありがとうございました

 

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